社団法人、立ち上げます!
宮野公樹 〈info@steam-association.jp〉
TO:当社団法人STEAM Associationに興味を持って頂いた方へ
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2021年5月10日(15:08)
今度、社団法人を立ち上げることになったんですよ。
その名も「一般社団法人 STEAM Association」。
「STEAM」はご存知でしょうか? その説明は後ほどするとして、
とにかく、この社団では「ほんとうの学び」をコア・コンセプトにした、
学び合いの場を作るのがねらいなんです。
今日、「学ぶ」ってのは目的が無いとダメみたいな感じになってますよね。
例えば、昇進や資格や単位のためであったり、今、この時代を生きる我々は、
「学ぶことが何かを得ること、新たに何かを身につけること」、
というようについ考えがちになってる。
でも、「学び」には、特段の目的はいらないって思うんです。
自分の成長やスキルUPも大事ではありますよ、もちろん。
でも、それらを超えたところで、自分自身の感覚や感情を芯にして学ぶってことが、
最近忘れられてるよなーって感じるわけです。
言いたいのは、「学ぶ」ってのは、本来、おいしい、たのしい、うれしいと同じ
我々の深い部分に根付く喜びの感覚である、と!
この人間の純な本性としての学び(=これは目的に先立つので、「ほんとうの学び」と呼ぶことにします!)を通じてこそ、人は、自分の在りように気づくのだと思うんです。
何か獲得のための学びを外向きとするなら、ほんとうの学びは内向き。
「あぁ、私は、これが好きなんだ」
「私が関心もつ事柄って、根っこにこういう共通点があったんだ」
「当時、知りたい!って思っていたこと、今はそこまででない。なぜだろう。」
といったようにです。
考えてみれば、世界的パンデミックで我々が気づいたこと、例えば、
都会が一番!ゲームも
金持ちゲームも
大企業就職ゲームも
学歴ゲームも
だんだん疑われてきてますよね。
DXの進展もあいまって、いっそう「予測不能のなんでもあり社会」を迎え、
結局、我々って何がしたかったんだっけ?っていう問いが見直されてると思うんですよね。
そういう今こそ、先に述べた「ほんとうの学び(=自分の在りよう)」が必要と思うんです。
特に、今、大学の研究者は、この「ほんとうの学び」から
遠ざかってしまっているように思えます。
今、大学の研究者は、過度な業績競争やマネジメント業務などで、
研究の道を志した頃の初心というか、それをなかなか思い出せない状況にあると思ってて、
これはちょっとまずいんじゃないかと。
学会組織も、がんばっているところもありますが、
未だ旧態依然としたところが多いんですよね。
つまり、今、大学でも、学会でも、
なかなか本質的な話ができにくくなっていると思うんです、残念ながら。
そこで、
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研究者による研究者のための自分づくりと仲間づくり
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と考えたのです。
このコミュニティでは、自分たち置かれた立場から一歩抜け出し、
分野や世代を超えて、本質的な話し合いができるようにこだわります。
(全員、アバターで対話したりして笑)
それが、先の「ほんとうの学び」に通じると思っています。
そういう異分野コミュニティだったら、他にもあると思われました?
確かにそうですが、我々が「ほんとうの学び」の実践でもう一つこだわりたいのは、
「知らない」ということを「知る」という学びのほうです。
知りたいことを知るのは、研究者だけでなく、誰でもやっている営みであり、
「あ! わかった!」
「なるほど、そうだったか!」
といった、何かを知れて嬉しい!という学びは言うまでもありません。
しかし、これは学びの半面でしかない。
もう半面は、「自分は、それを知らない」ということを「知る」こと、だと。
例えば、
「こ、こんな世界があったのか。自分はなんと狭い領域にいたことか・・・」
といった、自覚にも似た自分の在りように迫るのもまた
非常に大きな学びだと思うんですよね。
「知りたいことを知る学び」のコミュニティはあれど、
「知らないということを知る学び」に特化したコミュニティはちょっとないと思ってます。
この衝撃にも似た無知の知を得るには、字面や講義だけでは不十分!と思っていて、
当社団では、徹底的に実体験にこだわろうと思います!
それは、「知らない」ということを「知る」ために、
研究者が、他分野や他業種にリアルに出向いて門を叩き、
体当たりで他世界に入り込む!という事業です!
こだわりたいのは、単なる異文化体験ではなく、
その分野やその業種の経緯・歴史、目指す所、そして、苦悩までもを体感することです。
*名付けて「研究者アンラーニング計画」!
繰り返しますが、知りたいことを知るのは、研究者なら誰しもやっていること。
普通に仕事(研究)をしているだけでは、
なかなか、他の世界とは出会いませんよね。
つまり、何もしなければ、ただただ自分の専門のなかに居るだけってことです。
つまり、「知らない」ということを「知る」には、
わざわざ自らの世界から一歩踏み出そう!としなければならないのです。
今、研究者はものすっっっっごい忙しい中にあるけど、
あえて、そこにエフォートをかける! いや、かけなければならない!
そうしないとなんか不安 OR 気持ち悪い OR 一皮むけることにならない・・・
そういうことをぼんやりとでも感じている研究者の方に、
期間限定でいいから、「わざわざ」関わってほしいと思ってます。
論文さえ書いていればいい時代はとうに終わりを告げ、
研究のあり方も、学問のあり方も、大学のあり方も、変わりつつある時代を迎え、
今こそ、研究者として、むしろ人として、地に足つけて成長するため、
いったん、現状(の立場)から抜け出して置く必要があると思うわけです。
なお、単に他分野を体験だけなら、総合大学であれば学内でもできます。
ですが、業種を超えるとなると、やっぱり大学ではない組織単位のほうが都合よく、
それで社団立ち上げに至ったわけです。
もちろん、この学び合いのコミュニティは、研究者だけに留まりません。
この研究者の学び合いに関心ある様々な活動を行う多様な業種もアクターとして巻き込み、
「学び合い磨きあう」人たちが拠って立つことのできるコミュニティを構築し、
対話と問い直しを継続的に行いたいと考えています。
今、この研究者アンラーニング計画に関心ある研究者を募ってる最中なんです。
研究者としてもさることながら、人として、もう一回り深く広く!
そういう成長に貪欲な研究者。あるいは、
業績競争に偏重しがちな今日の学術界にどうも違和感がある研究者たち。
彼、彼女たちが今の立場を少し離れ、しっかりと本質的な対話ができるコミュニティを
作り込んでいきます!
*おそらくこれは一見遠回りのように思えますが、これがほんとうの個々人の「いい研究」につながる道だと思ってます。そして、個人を刺激することこそが、学術界が自ずと変わる道だとも思っています、政策や制度、システムやプログラムではなくね。
この計画ができたら参画してみたい!という研究者だけでなく、
この計画を共に練っていく準スタッフ的な研究者も募集しております!
ぜひともこちらからの連絡くださいませ!
(なお、高専から名誉教授まで、独立研究者から国研研究者まで、もちろん企業研究者も可です)
それと、研究者以外の、一般会員、組織会員も絶賛募集中です!
きっと、この研究者らの本気の学び合いに可能性を感じる企業の方、
行政、事業主、経営者、アーティストさんたちがいると思うんです!
そういう多様なアクターと研究者とごちゃまぜにして、
互いに学び合いたいと思っています。
研究者アンラーニング計画にて、ぜひうちの業界に来てほしい!とおもった業界の方、
研究者じゃないけど、研究者アンラーニング計画を作り込む側になりたい一般の方(準スタッフ的な存在)など、お待ちしております!
あ、もちろん、とにかく関心はあるから、まずは情報だけでもほしいという方は、
まずはバーチャル回覧板にご登録を!(不定期に情報発信していきます)
さて、代表理事は、一応、僕、宮野公樹。
他にメンバーとして、代表理事代行の古谷さん、事務局長の島田さん、事務局の青木さん、中島さん、西川さん、中島さん、杉山さん、脇水さんと、今の所、8名で運営してます。
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かなり長くなってますが、もうちょっとだけお話させてください。
なんせ、「で、どんな学びするの?」って疑問がでてくると思うんですよね。
この社団では、学びの柱の一つに「STEAM」を置くことにしたんです。
STEAMとは、Science、Technology、Engineering、Art、Mathematicsの頭文字で、
現在、「STEAM教育」というのは、世界各国において分野融合型かつクリエイティブな理工系人材を育成する目的の下に推進されています。
でも、早とちりしないでくださいね。
この社団法人は、我が国のSTEAMを振興します!
なんて、安易には考えていません。
だって、今、STEAM!STEAM!って叫んでても、時代が変われば、
BEYOND-STEAM、とか、Next-STEAMなんていうだすかもしれませんでしょ?
我々は、既存のSTEAM教育をさらにもう一回り広く深く捉え直して社会に問うことをねらいとし、
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そもそもSTEAMとは何か。いやむしろ、
STEAMなるものを掲げて何を推進しようとしているのか?
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といった俯瞰的で根源的な思考を何より重視します。
つまり、STEAMというキーワードの登場を、「科学技術と人類の関係についての新たな考え方を得る契機」として受け止め、歴史や哲学など人文・社会系の観点を含め、STEAMのAをリベラルアーツのAとして強調し、STEAMという概念を問い直したいんです。
これは、分野や業種を超えて語るに足る「切り口」と思うんですよね。
最近、話題を集めている人新世とかに並ぶ概念としてSTEAMを解釈するわけです。
当面の具体的な活動としては、先に述べた、研究者アンラーニング計画を実施すべく、
そもそも学術分野ってどうやって形成されてきたの?とか
業種ってどう別れてきたの?とか、
そういう勉強会のようなワーキンググループを派生的にいくつか作り、
単なる他分野・他業種体験ツアーではなく、深い学びを得られるよう、
事業提供側の熟度を上げていくつもりです。
*そのためにも、一緒に考えていく研究者や会員の方を募集してるわけです。
特に、一般会員、組織会員の方には、「研究者訪問を受け入れてくれる選択肢」として、
できるだけ様々な業種から参画いただき、業界地図のようなミニ日本を作りたいと考えています!
以上です。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願い申し上げます!
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一般社団法人 STEAM Association
東京都渋谷区渋谷2-16-8
代表理事 宮野公樹